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岡田監督の名言
岡田監督ってのは、もちろん、元日本代表監督の岡ちゃんです。今は監督でも何でもないですが呼び慣れているので、以下、岡田監督と呼称します。
最近、岡田監督のインタビュー記事などをよく見る。
それらを読むと、あのお方は本当に思慮深い人だなと感じる。意外と。
例えば、ラジオ番組か何かのお話をアップしてくれているこの記事。
岡田武史前監督が語る、世界でも類を見ない日本サッカー急成長の理由とは? – ブラジルW杯に寄せて | ログミー[o_O]
日本サッカーは短期間で驚くべき成長を遂げた。プロリーグ(Jリーグ)を作って、世界中から有名選手を呼び集めて一気にサッカー文化を花開かせることに成功した。それを中国も真似しようとしているけど・・って話の続きで岡田監督がこんなことを言ってました。
だから僕は中国でも言うんだけど、そんな上だけ見て、それをパッと真似しようとしてもダメですよ、その下にみんなが粛々と積んできたレンガの基礎があるんですと。
レンガっていうのは真上に積んでいったら倒れるわけですよ。高くなってきたら横に積んでいかなきゃいけない。ところが横に積んだ人っていうのは評価されないし、見えないんですよ。上に積んだ人だけがやっぱり見えてくるからね。だからそういう、横に積む人たちがたくさんいるっていうのが、日本の強みじゃないですかね。
素晴らしい言葉だなと思いました。
一番上(代表監督)まで行った人が、いや、上まで行ったからなのか、ここまで広い視野で物事を捉えられるのがすごいなと。
レンガは真上に積んでも倒れるだけだ。ってほんと名言ですね。
横に積んだ人は評価されない。けど、横に積む人が居るからこそさらにその上に積む人が出現して、その成功にスポットライトが当たり、評価されるんですね。
一番上に立った人が言うからまたかっこいいね。見直したよ岡ちゃん。
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ブラジルW杯反対デモ
サッカー王国ブラジルでのワールドカップということで、さぞブラジル国内は盛り上がってるのかと思ったら、なんとワールドカップ反対デモがとんでもない勢いで盛り上がっているそうです。
なぜなんでしょうか?
急激な経済成長
ブラジルは21世紀に入ってから、急激な経済成長を遂げています。
経済発展が著しい、また、これからどんどん発展するであろう新興国(5カ国)のことをBRICS(ブリックス)と言ったりしますが、その中にブラジルも入っています。
B Brazil(ブラジル)
R Russia(ロシア)
I India(インド)
C China(中国)
S South Africa(南アフリカ共和国)
経済が発展しそうな地域には、世界中からマネーが集まって来ます。
日本もかつて高度経済成長期というのがありましたが、経済が発展するというのは、つまるところ、建物や交通インフラなどの建築ラッシュが起こることです。お金を持て余した世界の大富豪たちはそういう大規模な発展が見込める地域に先行投資します。
世界中からマネーがじゃぶじゃぶ流れ込んでくるようなイメージです。
その流れ込んできたマネーによってどんどん経済成長は加速します。
急激な経済成長の弊害
成長するのはいいことですが、あまりに急激に成長するのは弊害も伴います。
もともと下水道も満足に整備されていないような貧しい地域に、莫大な資金と世界最高の技術を投入した超高層ビルが建ってしまうと、ものすごい経済格差が生まれます。それも急激な。
貧しい地域は放置されたまま、海外の企業とコネクションを持つような大企業だけがぐんぐん成長しお金持ちになります。
経済成長期というのは、お金さえあれば、いくらでも儲かる投資先はあるのでお金のある会社や人はどんどん儲かりますが、放置された貧しい人たちはなかなかその恩恵に授かることができません。
これは政治や企業倫理の問題でもあります。
政府が大企業から集めた税金を、地域の医療や教育や治安といった部分に採算度外視で投入すればお金のない人でも受けられるサービスが底上げされます。しかし、ブラジルではどうやら政治がそこまで成熟していないのでしょう。
企業も得た利益を従業員の給料にどんどん還元していけば、従業員の暮らしは豊かになり、一般庶民の経済力は底上げされます。しかし、ブラジルの企業の多くは得た利益を人件費に回すよりも、次なる儲け話にどんどん投資しているんじゃないかなと思います。
日本の経済成長期は、一億総中流社会と呼ばれたように、皆でちょっとずつ豊かにることが出来ました。もちろん日本にもドサクサに紛れてずるい事して私服を肥やした政治家やら権力者が居たでしょうが、まだ節操があったんでしょう。決して私利私欲だけではなく、まずは国家、国民の為に仕事をした上で、そのご褒美としてちょろまかすような人が多かったんじゃないかな?
おそらくブラジルの権力者や経済界の大物たちは、とにかく私利私欲の為にこの急激な経済成長期を利用しようとした人が多いのでしょう。本当は、経済と言うのは自分だけで独り占めするよりも、多くを与えた方が結果的に儲かるのに。
ブラジルワールドカップ開催
そんな歪な経済成長の延長上に、今回のワールドカップ開催の話があったわけです。
ワールドカップの為の設備投資(スタジアムや交通インフラなど)に、なんと1兆円を超える国民の税金が使われていると言います。
医療も教育もまともに受けられない経済的弱者の多くを放置したまま、ワールドカップ開催の為にそんな大金を使うなんて税金の使い道を間違ってるんじゃないか?と思う人が多いのも頷けます。
しかもワールドカップ開催の為というのは口実みたいなもので、結局、一部の超大手建設業者や、一部の権力者の懐にその莫大なお金が流れ込んでいくのは目に見えています。
もっと庶民の生活の為に税金を使えよ!
庶民が反対デモを起こすのも、分かる気がします。
結果的に、大好きなサッカーを敵視せざるを得ないブラジル国民はさぞかし辛いことでしょう。
ワールドカップが自国で開催されることなんて、一生に一度あるかないかのことだと言うのに。
岡田監督の名言とブラジル経済
で、冒頭の岡田監督のレンガの話につながるわけです。
ブラジルの経済は確かに成長しました。高い高いレンガを積み上げました。
しかし、あまりに縦に積みすぎたんです。
あまりに急いで積み上げてしまったんです。
大量にあるレンガを、周りに分け与えて頑丈な足場を作りながら、ちょっとずつ高くしていけばよかったのに。
ブラジルは、今にも崩れそうなひょろりと伸びたレンガの上に、ワールドカップという超特大レンガを乗せようとしています。
果たして、ギリギリのバランスで持ちこたえることが出来るのか?それとも庶民の怒りが決壊し大きな犠牲を払うような大参事が起きてしまうのか?
ぜひともブラジル代表に優勝してもらって、庶民のはち切れんばかりの怒りに、少し喜びをブレンドしてあげてほしい。
逆に、もしブラジル代表がふがいない負け方をしたら、それは恐ろしい事態が待っていると思う。頼むよネイマール。
ただ悩ましいのは、なんやかんや言ってこのワールドカップがブラジル国民にとって大団円で終わってしまうと、ずるいことして私腹を肥やした人は胸を撫で下ろす結果になる。
そして悪しき前例を作ることになる。
レンガは無理矢理にでも早く高く積んだ者勝ちなんだぜって。
歴史を振り返ると、人間は痛い目に合わないと変われないのかも知れない。いや痛い目にあってもなかなか・・。
けど出来ることなら、ブラジル国民が皆で喜びを分かち合って、大きな犠牲を払うことなく、それでも反省する部分を省みてレンガを横に積む重要性を知る一つのきっかけに、このワールドカップがなったら最高だと思う。
いろんな意味で頑張れ!ブラジル!