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ブラジル歴史的大敗
ブラジル 1-7 ドイツ
こんなスコア予想した人、おそらく世界中に一人も居ないでしょう。もし居るとしたらサッカーが何点ぐらい入るスポーツなのか知らない人がテキトーに予想したんでしょう。
まさかこんなことになるとは。。
スタジアムで大規模な暴力行為が起きなかったことがせめてもの幸いです。
結果論もはなはだしいのですが、ブラジルがドイツに大敗した理由を考えたいと思います。
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大敗の原因
ネイマール、チアゴ・シウバの不在
ネイマールが先日の怪我の影響で(ネイマールが骨折したシーンを解説する)、チアゴ・シウバがイエロー累積で、それぞれこの試合は出場できませんでした。
トップ下に入っていたネイマールの代わりに、右サイドだったオスカルがトップ下に入って、右サイドにはベルナルジが入ってました。
オスカルもベルナルジもいい選手なんですが、やっぱり、違いを作るという意味ではネイマールには及ばないと思います。
しかしまあ正直、ネイマール不在の影響というのはそう大きくなかったと思います。
より大きかったのはチアゴ・シウバの不在。シウバは危険な場面を察知する能力も、相手をつぶしてしまう強さも、超一流です。おまけにダビドルイスとの相性も抜群。シウバの不在によって、決定的な局面で得点を阻止するチカラが落ちたのは否めないでしょう。
そして何より大きかったのは、この攻守の中心である二人が抜けたことによる精神的な影響だと思います。
出られない選手の為にと結束する思いもあったとは思いますが、やはり心のどこかに小さくない不安感があったはずです。その不安をかき消すようにブラジルは試合開始直後から猛烈な勢いで攻めていました。
あの猛烈な試合への入り方は、今思うと、焦りだったのかなと思います。少なくとも横綱の立ち上がりではなかった。
前がかりになった中盤の守備
もしかしたらフェリペは、ドイツにボールを持たせたくなかったのかも知れません。
今大会のドイツはポゼッション能力が非常に高く、ボールを持ってリズムを作られると相手のペースにハマると考えたのかも知れません。
ブラジルの守備はもともと、守備ブロックをガッチリ作って迎え撃つというような守り方ではないと思いますが、この試合に関しては、いつも以上に中盤でボールを奪いに行っていたように見えました。
相手の攻撃を遅らせながら、守備ブロックを整えて、スペースを埋めてからボールに行くのではなく、とにかく前で早くボールを取り返そうとしているようでした。
中盤の選手が前がかりになると、当然後ろには大きなスペースができてしまうので、アタックに行った選手がかわされてしまうと、スピードに乗った状態で不揃いな最終ラインに突撃されることになります。
フィルターになるべきはずのフェルナンジーニョやグスタボが簡単に突破を許しているようではブラジルの守備は完全に後手に回ることになる。
まずボールの前進を食い止めて、守備ブロックを整えて後ろのスペースを消してから勝負する方が、リスクは少なかったと思います。
前から遮二無二ボールに行ってしまったのは、フェリペの指示だったのか?単なる選手の焦りだったのか?真相は分かりませんが。
進化したペップ流ポゼッションサッカー
今大会早々と散ってしまったスペインの最も強い頃は、グアルディオラが監督をして最強だったバルサをベースに作ったチームだった。
今回のドイツはグアルディオラが今指揮しているバイエルンを中心としたチーム。
グアルディオラはバルサで極めたポゼッションサッカーをさらに改良してバイエルンに持ち込んでいる。
スペインは、とにかくボールをつなぐ、大事にするというのを最優先にゲームを組み立てていた。慌てて前に蹴らなくても、とにかくボールさえ持っていればノーリスクだと言わんばかりに。
しかし今大会のドイツは、相手のボールを奪うや否や、前にスペースがあればどんどんボールを前に運んで、攻撃の選手達は一気に前線に飛び出していく場面が多く見られる。
早い話がカウンターアタックを多用している。
カウンターに行くのか、ポゼッションに切り替えるのか、その判断がチームとして高いレベルで的確にできているんだと思う。
この試合では、ブラジルの守備陣が整う前に、前の3人ほどで攻めきるという形がハマりにハマっていた。
ドイツのカウンターは組織的かつスピーディで、あっという間に数的同数で最終ラインと勝負という形を何度も作っていた。一人一人の技術も相当高いので、1対1でなかなか止めることができない。必死でボールに食らいつくと、1人が完全にフリーになってシュート!という無双っぷり。
もちろん点差が開けば開くほど、リスクを負って攻める為に後ろが疎かになるのは仕方ないのですが、立ち上がりのブラジルの猛攻に耐えながら、決して押しこまれず鋭いカウンターを返す力がドイツにはあった。それが勝負の分かれ目だったように思う。
そのチカラはきっとグアルディオラがバイエルンに叩きこんだものだと思う。いやあまりグアルディオラを褒めるとレーヴに失礼か。
もちろんこのドイツはレーヴが長年かけて作り上げたチームなので、レーヴの哲学ともマッチしたんでしょう。しかしその駒の多くを進化させたのはやはり・・、いややっぱりレーヴに失礼だ。w
ダビドルイスの奮闘
それにしても1-7というのはとんでもないスコアだ。
その一因と言えるのは、ダビドルイスが守備を捨てて点を取りに行ったこと。守っていても仕方ないのでリスク上等で行かざるを得ない点差にされたのでこれは仕方ない。
2点目までは冷静でいられるが、3点目が簡単に入れられてからはもう守っていても仕方ないと言わんばかりにダビドルイスは攻撃に参加していた。
しかし、ブラジルの攻撃は固いドイツの守備ブロックの前にストップされ、そのカウンターはルイスの居ない最終ラインに容赦なく襲いかかった。
最後の方はルイスはもう守備の為に走る力が残っていなかった。いつもなら埋めているはずのスペースは埋められず、いつもなら詰めているはずの相手に詰められず、シュート打ちたい放題という惨劇。
CBにあそこまで攻撃参加させてはまともに守れるわけがない。
おそらくルイスもそれは分かっていたと思う。しかし意地とプライドが彼の足をドイツゴールに向かわせたんでしょう。何点取られようとも最後の最後まで戦い抜く!と。攻撃の選手は最後の最後までゴールを目指すことが出来るが、守備の選手にはそれは残忍な状況だ。戦い抜くと言っても自陣ゴールを守っていても仕方ない状況なのだから。
この7失点という大敗はダビドルイスが最後までプライドを賭けて必死に戦って走り抜いた結果であることを、頭の片隅に置いておけよブラジルの人聞こえますかーー!
あちこち放火してまわるんじゃないぞ。
しかしこれが現実だとはいまだに信じられない。。