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ペップバイヤン敗れる!
前年王者バイエルンを引き継いで、CL二連覇という偉業に挑んだペップ。国内リーグではまさに敵なしで早々と優勝を決めたものの、欧州にはとんでもないバケモノが居ました。
世界最強のフィジカルモンスターズ、レアル・マドリードです。
1stレグはアウェイで0ー1、2ndレグはホームで0ー4と、完膚無きまでに粉砕されました。
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最強ポゼッションvs最強カウンター
バルセロナと並び、現在ポゼッションサッカーの最高峰と言えるバイエルン対、世界最速最強カウンターサッカーを武器とするレアル、という非常に興味深い頂上決戦。
バイエルンはバルサの中央突破型のポゼッションとは違い、中央を固めさせておいてからワイドに開いたロッペン、リベリーのドリブル突破によりチャンスを作ることが多い。
DFラインは超ハイラインで、出来るだけ前で人数をかけてボールを取り返そうという守備。
一方のレアルは、自陣深くにまで相手をおびき寄せてからボールを奪い、ロナウド、ベイルというズバ抜けたスプリント能力を持つ2人が一気にDFラインの裏を突く超高速カウンターで、とにかく縦に速いサッカーが特徴。
バイエルンほどのポゼッション能力を持つチームを自陣深くまでおびき寄せるというのは、押し込まれることと同義なので多くのチャンスを相手に与えることになり、普通はそのままどつかれまくるという展開になる。普通は。
だが、レアルは普通ではなかった。
押し込まれても耐えきるCBの力強さ、ロッペン、リベリーのドリブルにも振り切られないSBの粘り強さがあり、バイエルンの前プレをかわしてボールを前線につなぐMFのテクニックと、バイエルンDFとのスピード勝負に絶対負けないFWの走力があった。
この最速最強のカウンター能力を持つレアルに対し、ポゼッションで挑むということは、ボールを失えば一転ピンチになるのは必然とも言える。
ポゼッションを志向するチームにとってこの日のレアルのサッカーは、その努力の全てを打ち砕く程の脅威だったに違いない。こんなチーム相手に人数かけて相手陣内に攻め入っても無駄なんじゃないか?って。
バイエルンとレアルの差
志向するサッカーの質とは別次元で、この日、両者の最も大きな差はセットプレーの強さだったのは明らかです。
レアルの1点目、2点目は共に高速カウンターによってもぎとったセットプレーからでした。
ゴール前に良いクロスを放り込まれて、ロナウド、ベイル、ベンゼマ、ラモス、ぺぺ、このフィジカルモンスターズ(フィジカルファイブと命名しよう)に飛び込まれたら、もう地獄です。ラガーマンでも連れて来るしかないんじゃないかっていう迫力です。
マンマークで付いていてもバイエルンの面子ではこのフィジカルファイブはそう簡単に止められないと思いますが、バイエルンはCKはゾーンで守ってます。ゾーンではあのラモスの速くて強くて重い後ろからの飛び出しにボールが合いさえすれば防ぎようがありません。
2点目のFKの場面もラモスが決めたのですが、ラモスをマークしていたバイエルンの最強戦士マンジュキッチも全く無力化されていました。
おそらくアンチェロッティの頭にはセットプレーを取ってフィジカルファイブで勝負という計算があったと思います。セットプレーはバイエルンの数少ない弱点と言えますから(弱点というかレアルが強すぎるだけなんですがw)。
諸行無常
結果的に、バイエルンは全てにおいてレアルに叩きのめされました。
昨年、自らがバルサを叩きのめしたように。
バイエルンがバルサを叩きのめした1年後に、レアルがバイエルンを叩きのめすという諸行無常、栄枯必衰、たけき者も遂には滅びぬ現代サッカー。
ポゼッション対カウンターという究極の戦い、永遠のテーマに、現時点での一つの答えと言える圧倒的なレアルの勝利(アトレティコ、チェルシーの躍進)。
究極のポゼッションサッカーを追い求めるペップの心境や如何に?
個人的には、フィジカルでゴリゴリ来る相手をテクニックとパスワークで崩しきるようなセクシーなフットボールが好きなので、今となっては古き良きファンタジー溢れるサッカーを見せてくれるチームに是非とも頑張ってもらいたいんですがねぇ。。