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世界に挑むアジア勢
W杯ブラジル大会に参加したアジア勢は、
日本
韓国
オーストラリア
イラン
の4チームでした(順不同)。
本大会の話の前に、その出場権を賭けたアジア最終予選についておさらい。
アジア最終予選は二つのグループに分けられており、それぞれの上位2チーム(イラン・韓国、日本・オーストラリア)が本大会出場。3位同士(ウズベキスタン、ヨルダン)が5位決定戦をして勝った方(ヨルダン)が南米予選の5位(ウルグアイ)とプレーオフして、勝った方(ウルグアイ)が本大会出場というレギュレーションでした。
ウルグアイとヨルダンのプレーオフはさすがにウルグアイが勝ったので、アジアからの本大会出場チームは上記の4チームということになりました。
厳しいアジア予選を勝ち抜いた誰もが認めるアジアの4強が満を持して本大会に挑んだわけです。
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惨敗のアジア勢
で、アジア勢の本大会での戦績は以下の通り。
勝 | 分 | 負 | 勝ち点 | 得点 | 失点 | 得失点差 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
韓国 | 0 | 1 | 2 | 1 | 3 | 6 | -3 |
イラン | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 | 4 | -3 |
日本 | 0 | 1 | 2 | 1 | 2 | 6 | -4 |
オーストラリア | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 9 | -6 |
合計 | 0 | 3 | 9 | 3 | 9 | 25 | -16 |
4チームとも1勝もあげられませんでした。もちろん全チームグループリーグ敗退。
なんと4チームが計12試合戦って得た勝ち点が合計3です。むごいです。。
日本
- 日本 1-2 コートジボワール
- 前半に先制するも後半たった2分間で2点取られて逆転負け。
- 日本 0-0 ギリシャ
- 前半にギリシャに退場者が出て数的有利になるも守備を固めた相手を崩しきれずスコアレスドロー
- 日本 1-4 コロンビア
- 勝たねば予選敗退が決まるという状況で玉砕覚悟でゴールに迫るも本当に玉砕。
コロンビアには大きな差を感じたが、日本、コートジボワール、ギリシャは戦力的にはほぼ均衡していたと思う。しかし、結果的にグループリーグを勝ち抜くしたたかさを持つギリシャに抜けられた。一番大きな差は大会を勝ち上がる経験だったと言える。
韓国
- 韓国 1-1 ロシア
- ロシアの名GKアキンフェエフがまさかのポロリで韓国が先制するも後半に追いつかれドロー。
- 韓国 2-4 アルジェリア
- アフリカのパワー&スピードについていけず前半のうちに3失点、後半は点を取り合うも完敗。
- 韓国 0-1 ベルギー
- 既に予選突破を決めているベルギーとの一戦、前半終了間際にベルギーに退場者が出て韓国が攻勢に出るもカウンターで失点し、ジ・エンド。
1分け2敗という結果も、相手に退場者が出たり、後半に追いつかれる展開だったり、なんとなく日本とかぶる韓国。ヨーロッパの人はどっちがどっちだかよく分かっていないんじゃなかろうか。我々で言うウズベキスタンとカザフスタンみたいなw アジアでは虎と呼ばれていたが、よく見たら猫だったみたいなw いや笑えない。
オーストラリア
- オーストラリア 1-3 チリ
- 鋭いカウンターで応戦するもチリの攻撃力の前に撃沈。
- オーストラリア 2-3 オランダ
- オランダ相手に一歩も引かない素晴らしいサッカーを見せるも地力の差を見せられ惜敗。
- オーストラリア 0-3 スペイン
- 2連敗同士の消化試合となった最終戦は覇気の無いスペインに完敗。
アジア勢の中で最も厳しいグループに入ったオーストラリア。完全に噛ませ犬になるかと思ったが思わぬ狂犬ぶりにチリもオランダも肝を冷やす場面もあった。特にケーヒルの存在感はさすが。アジアにケーヒルあり!を示した。
イラン
- イラン 0-0 ナイジェリア
- 強固な守備でナイジェリアを完封するも、得点は奪えずスコアレスドロー。
- イラン 0-1 アルゼンチン
- 猛攻に耐えながら幾度も強烈なカウンターを繰り出しアルゼンチンを苦しめるも、終了間際にメッシ砲を食らい惜敗。大番狂わせも期待させた緊迫した一戦だった。
- イラン 1-3 ボスニア・ヘルツェゴビナ
- 予選突破の懸かった一戦だったが、勝っても敗退のボスニアに惨敗。
ケイロス監督が作り上げたのは超守備的&縦ポン一発狙いのカウンターサッカー。徹底的に引いて守る守備はかなり強固で、ボールを奪ってすぐさま繰り出すロングカウンターも相手ゴールに迫る鋭さがあった。
アジア総評
アジアの実力
やっぱりアジアの選手は個人能力が圧倒的に劣っている。
ボールを止める、蹴るといった基本技術ももちろんなんですが、なんかサッカーというスポーツの理解度というか、勝つ為のコツみたいなものが体に染みついているかどうかの差が大きいんじゃないかと思う。
南米での大会だから余計そう感じるのかな?たぶんそこらでボールを蹴っているおっさん達にあって日本のプロサッカー選手に無いモノがあるような気がする。それは言葉で教えられるものでも説明できるものでもなく、まさに体に染みついているもの。そういうのっていくら一人で猛練習しても身に付かない。結局、歴史とか環境の差ってのが大きいかと。
今大会、ワールドクラスと言えるのはオーストラリアのケーヒルぐらいだった。本田、香川もいいものを持っているが、大した活躍は見せられなかった。
個人能力では劣るので、世界の強豪と戦うにはチームとしての戦い方で勝負するしかない。日本はパスをつないで人数をかけた攻撃を武器に戦おうとし、オーストラリア、イランは相手に深く攻めさせておいてボールを奪ってからのカウンターに活路を見出した。
日本はコートジボワール相手に全くいい形を作らせてもらえず、ギリシャ相手にはボールを支配するも固い中央を全く崩せず放り込むだけ、コロンビアに対しては捨て身で攻撃に出てそれなりの形を見せることができたが、相手のカウンターを止める余力は残っていなかった。
結果的に日本のパスサッカーは通用しなかった。コートジボワールとギリシャはそんなにレベルの高い相手ではなかったのが残念だし、ショックがでかい。
堅守速攻に活路を見出したオーストラリア、イランは相手を苦しめはしたが結局は地力の差を見せ付けられた格好。
しかし、オーストラリアのフィジカルを生かしたスピーディなサッカーはアジアでは頭一つ抜け出ていた感はある。今大会はスペインが早々に敗退したように全体的にフィジカル勝負のサッカーが目立っている。いかに球際で激しくファイトできるかが今後さらに必要になってくるのかも知れない。
個人的にはゴリゴリのラグビーのようなサッカーよりも、華麗なサッカーが見たいので残念だが。。
しかし日本的にはフィジカル勝負に持ち込まれたらまず勝ち目は無いので、組織で守って組織で攻める日本らしさを突き詰めていってほしい。やっぱり目指すのはスペインやメキシコのようなパス&スピードに頼ったサッカー。
ただし、結局は本田、香川を超える個のチカラを持つ選手が現れてくれないとパスだ組織だと言っても世界では勝てないだろう。
もしケーヒルが日本のワントップに入っていれば、間違いなく予選は突破していたはず。いやホンマに。
アジア枠問題
初めに書いたが、今大会はアジアに与えられた枠は4.5だった。
結果的に4チームが本大会に出て、上記のように大惨敗。実力的だけで言えば4.5は多すぎると言える。厳しいヨーロッパ予選に敗れて出場できないチームに出てもらった方が大会レベルは絶対に上がる。
アジア枠がこんなに多いのは人口が多いからだと言われている。
特に中国、インド、インドネシアの3国で実に世界の人口の35%以上を占めているのだが、インド、インドネシアはワールドカップ未経験、中国は日韓大会で一度出場しただけと、今のところこの人口密集3カ国はワールドカップに関しては蚊帳の外と言える。
FIFAとしてはいずれ、この手つかずの超巨大マーケットを取り込みたいという算段なのだと思う。
なので、アジア枠は出来ればまだ増やしたいというのがFIFAの本音だろう。
しかしさすがにこの惨敗っぷりを考慮すれば、これ以上世界のトップと大きな差があるチームに枠を増やすわけにもいかないと思うので、次回ロシア大会のアジア枠は据え置きで4.5か、もしかしたら微減で4ってところかな?と想像する。
って、ワールドカップの熱い戦いはまだまだこれからだと言うのにもう総括させるなよアジア。。