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日本vsニュージーランドで前半4点→後半0点だったのは何故だ?

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日本vsニュージーランドで前半4点→後半0点だったのは何故だ?

メンバー発表前最後の試合

 ワールドカップの代表メンバー発表の前に行われる試合としてはこのニュージーランド戦が最後になります。

 長谷部、内田が負傷により、柿谷、今野が体調不良により出場できなかったのは残念ではありますが、メンバー選考という意味では、より多くのメンバーを見ることが出来て良かったかも知れません。

 

日本代表スタメン

日本代表スタメン

[サブ]
GK:西川、権田
DF:酒井高徳、駒野、伊野波
MF:遠藤、清武、細貝、斉藤
FW:豊田、工藤

大量得点の前半と沈黙の後半

 前半17分までに日本代表がなんと4得点とゴールラッシュ。
 おいおいニッポン、一体この試合何点取るつもりなんだ?と誰もが日本代表の圧倒的な強さにテンション上がったと思いますが、残りの70分余りはノーゴール。しかも前半39分、後半35分にそれぞれ失点し、終わってみれば4-2というスコアでした。

 前半と後半にスコアを分けて考えると、
前半 4-1
後半 0-1
 という極端な差が見られます。

 前半と後半で一体なぜこんなに差があったのか?
 前半と後半で日本代表のサッカーがどう変わったんでしょうか?

前半と後半で変わったこと

 後半の頭から、
山口 → 細貝
青山 → 遠藤
岡崎 → 清武
酒井 → 酒井
 と、メンバーを替えてのスタートでした。

 4人も選手を入れ替えるとなると、良くも悪くも全く別のチームになってしまうものです。今回は結果的に悪い方に変わってしまったと言えるわけですが、具体的に何が変わったのか?大きなポイントが2つあると思います。

山口の縦への意識とバランス感覚

 山口は、非常に距離のある縦パスをズバッと通してしまうパス能力と思い切りの良さがあります。
 それも相手からすると意外な場所に意外なタイミングでズバッと行きます。

 例えばこのシーン。
 右サイドからビルドアップするも酒井宏樹が相手選手に囲まれて、たまらず後ろ向き。。hataru

 仕方なく最終ラインで待つ山口蛍にパス。hotaru2 普通なら相手選手のいない逆サイドへ一旦ボールを回して組み立てなおしたくなるところ(矢印)ですが、

 ここから山口はさらにプレスをかけてきた3選手の間を縫って、岡崎へ縦パスを通す。hotaru3 相手が前がかりになってボールを追ってきたその背後へ一気にボールを運んだわけです。

 もう一つ。
 自陣最終ラインから、一気に相手DFライン裏へタッチラインすれすれのスルーパスを通す山口。hotarupass 岡崎が下がることで相手サイドバックをつり出し、出来たスペースへ酒井宏樹が走りこんだ。

 こういうパスはもし失敗して相手ボールになると非常に危険なのでリスキーではありますが、成功すれば一気に局面・流れを変えることができる素晴らしいパスになります。

 そういうパスを思い切って狙えるだけのキックの正確性・強さ、そしてそういうポイントを一瞬で見抜く戦術眼を山口は持っています。

 それに対して、細貝のキックの能力は正直かなりアレです。
 長い距離かつ狭いエリアを通すようなパスは狙えません。なので、細貝を経由するとどうしても比較的安全な横パスが多くなります(相手にとっても安全w)。

 横パスがダメだと言うわけではありませんし、横パスでリズムを作ることも出来るでしょうが、一発で局面を変えるような、スイッチを入れるようなプレーは細貝には期待できません。

 もちろんこの試合で言えば、その役割は相方の遠藤が担うべきなんですが、そういうリズムを変えるポイントが複数あるのと一つしか無いのとでは守りやすさは大きく変わってくるはずです。遠藤の調子もイマイチでした。

 守備面でも、細貝は、ガシガシ当たってボール奪取する能力は日本人の中ではかなり上手い方だと思いますが、ポジショニングでバランスを取ったり、あえて相手選手にボールを持たせながらパスコースを限定しながら誘い込むような守り方はあまり得意ではないと思います。言わば守備のフィニッシャータイプです。

 相手ボールを奪えるなら奪えるに越したことはないのですが、一人で取りに行ってもそれなりのレベルになるとそう簡単にボールを取れるものではありません。当たりに行ったはいいけどパスワークやドリブルでかわされて前を向かれる(縦に行くスペースを与える)というのは一番危険ですし、相手チームに良いリズムを与えることになります。
過去記事→セルビア戦、絶対やってはいけない守備のミス

 山口は、ポジショニング、ボールの持たせ方、奪い方、加えて上記の展開力と、ボランチとして必要な能力をかなり高いレベルで備えています。

 その二人の特徴・能力の差が試合展開に大きく影響を与えたのかなと思います。

岡崎の大胆なフリーランとわちゃわちゃ

 もう一つ、重要なポイントは、岡崎のプレーです。
 彼はさすがに本職がFWだけあって、DFラインの背後に飛び出すプレーが上手いです。

 特に逆サイドの香川がボールを持って前を向いた瞬間です。

 2列目の選手がDFラインの裏に抜けるということは、自分の守備エリアを完全に捨てることになるので、もし香川がボールを失えば一気にピンチに陥りますが、そこは信頼関係とお互いの技術の見せ所です。
 岡崎は香川がパスを出せるタイミングを完璧に見極めて、香川はそれに応えて走りこむ岡崎の足元へピタリと合わせるボールを入れる。

 2列目からの飛び出しというのは、スピードに乗った状態でプレーできるので相手DFからすれば非常に守りにくいものです。

 しかもサイドの選手が外から斜めに入ってくるというのは、DFからすればボールと入ってくる選手両方を視野に入れることができないので、非常に守りづらいものです。

 一点目のゴールはその典型でした。kagawa-zaki
 このゴールは、岡崎がファーストタッチをミスしてしまい相手DFが体を入れてブロックして来たにも関わらず、無理やり足を伸ばしてボールをゴールに流し込むというなんとも岡崎らしい素晴らしいゴールでした。

 案外、完璧なトラップよりもこういうわちゃわちゃしたプレーから決まるゴールというのは多いものです。
 なぜかと言うと、イメージ通りの完璧な流れからのシュートはGKに読まれやすいからです。いくらいいシュートでもGKの予想通りのコースに予想通りのタイミングで撃ってしまっては止められる確率が高くなります。
 目の前であんなわちゃわちゃされたらGKは読めません。(笑)

 それに比べて、清武は非常にスマートなプレーヤーです。かなり上手いです。びっくりするような完璧なトラップ、完璧なボレーシュートを見せることがよくありますが、そのほとんどは歓声とため息がセットです。
 これは本人も悔しいところだと思いますが、いくら自分の中で完璧なプレーでも相手GKの予想通り、イメージ通りのプレーをしているようでは止められることが多いです。
 相手GKのイメージを凌駕するような技術を身につけてこそ、ビューティフルゴールを量産できるんです。
 清武よ、だからと言ってわざとわちゃわちゃする必要はない、もっともっと上手くなれ!

 ちょっと話の流れがわちゃわちゃしていますが、持ち場を捨ててまで大胆にスペースへ走り込む岡崎に比べると、やはり清武はあまりリスクを犯さない選手です。
 DFラインの裏に抜け出すようなシーンはほとんど見られませんでした。

 パスがつながる・回るというのは、パスの出し手だけが良いわけではなく、むしろボールホルダー以外の選手がいかにパスコースを作ることが出来るかにかかっています。

 そういう意味で岡崎の大胆なフリーランはゴールに直結する素晴らしいパスコースを生み出します。
 常にゴールを狙うFWの嗅覚のなせる技です。

 ただしこれは点差のこともあるし、戦術的なバランスもあるので、清武があえてそうしていたのかも知れませんし、大胆さと慎重さはそれぞれメリット・デメリットがあるものです。岡崎、清武どちらが優れているかという話ではありません。

 しかし4得点が生まれた背景には岡崎の大胆なフリーランがあったことは間違いないと思います。

ゴールの有無が全てじゃない

 とは言え、実は、僕は後半もそんなに悪い内容ではなかったと思っています。
 
 前半17分までのチャンスはものの見事にゴールに結びついたが、それ以降のチャンスはゴールに結びつかなかっただけとも言えなくもありません。

 後半は確かに前半に比べるとミスも目立ってリズムが良くなかったのは事実ですが、そこそこ決定機も作れていました。

 僕は「決定力」という言葉は好きじゃないのですが、決めたか決められなかったかの差が前半と後半の一番の大きな差だったとも言えます。

 勝負を分けるのは、まさに決めたか決められなかったかの差なので、そこはないがしろにするわけには行きませんが、後半の内容はスコアほどには悪くはなかったと思います。
 悪者扱いしてしまっている細貝も過去最高の出来と言ってもいいぐらい頑張ってました。

 前半の17分間で4点取って残り70分余り沈黙するのと、前半後半に2点ずつ取るのとでは同じ4点でも全然後味が違いますよね。もちろん後者の方が良いイメージが残ると思います。

 ゴールは確率の問題でもあるので、たまたま前の方に当たりが固まってしまっただけだと開き直る図太さも大事です。
 相手のレベルは差し引いても、90分で4ゴールを決められたことは褒められるべきだと思います。

もう一工夫

 というわけで、岡崎の素晴らしい動き出しがゴールにつながったわけですが、もっとレベルの高い相手になると同じようには行かないと思います。
 いくら動き出しがよくても香川のパスが素晴らしくても、簡単にDFラインの裏は取らせてくれないでしょう。

 そこでもう一工夫してもらいたいのは、岡崎をおとりに使うパターン。
 岡崎が裏へ走ることでDFを引っ張らせておいて、香川も裏に出すふりして実は本田の足元へ。みたいな形です。

 岡崎の鋭い飛び出しは絶対に相手守備陣を動かすことが出来るはずです。
 相手守備陣を動かしてできたスペースをどう使うのか。その意識を前の選手がしっかり共有できれば、さらにバリエーションに富んだ攻撃ができると思います。

 さあ、いよいよ本番まであと3ヶ月。
 頑張って応援しましょう!

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